もさもさ

最近困ることと言えば、今現在使っている毛布を猫と見間違うことだ。
見た感じが色の濃いまだら猫の様相であり、この部屋に猫がいるわけはないと
別離の日から長い月日を経た今でこそ理解しているつもりのはずが、
不意打ちのようにその物体を目にした瞬間、猫と見間違えてはどきりとする。
優雅に香箱を組み、ちぐらにて丸くなり、時にはこちらをじっと伺っていたりと、
猫らしい仕草の全てを、在りし日の姿を、ただの毛布に見てしまう。
そして決まって、心の奥底に残る小さな爪痕が痛むのだ。
嗚呼、困ったものだ。あまり感傷的になるのも良くはないと思い至りつつも
この手で撫でた和毛の感触をふと思い出すと、やはり切なくなるのであった。
戸を少しだけ開けておく癖は相も変わらず、ただ泣きたくなるのであった。
正直、ここに君がいなくてとても寂しい。


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チビの命日、早いもので4度目の夏。
墓所の掃除と猫草を蒔いてきました。
以前の記録画像を見比べてみると
墓所周辺に息づく植物たちのもさもさ加減が
年々ボリュームアップしているような気がしますｗ
数年後には森になっちゃう勢いで。

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