ポコタヌの恋人

ジョセフィーヌが話す時の語尾は「ポコ」であったが、
僕らがT神社近辺にて見かけた野生の狸は「タヌ」だった。

深夜、いつもの場所での出来事。
ワラワラと集まってくる顔なじみの野ネコ達に紛れて、
見慣れない灰色ネコが近づいてきたなぁと思っていたら狸だった。
最初こそは『タヌキがいるよ！』と、突然の珍客に喜んでいた僕らだったが
いや、ちょっと待ってくれ。何だか様子がヘンじゃないか？
ネコの群れにその身を割り込ませ、何やら食物を必死で貪る狸。
遠巻きに観察しながら、彼女がデジカメで撮影した画像をチェックしてみると
首から下、身体を覆っているはずの体毛がゴッソリ抜け落ちている。
頭、手足、尻尾に毛を残すのみで、露出した地肌が何とも言えずに痛々しい。

『何があったんだろう....』
『うーん、何か事故かな？』
『毛が抜けちゃってるね...』
『だねぇ』
ところで＿＿＿と、彼女は続けた。
『この画像、消しちゃってもいいかな？』
手元に残しておくのがためらわれるくらいに悲惨な画像だったのだ。

食事を終えたネコ達はそれぞれに散らばり、毛繕いを始めていたが、
件の狸は物足りなさそうにフンフンと鼻を鳴らし、何やら食べるものを探している。
その胸の内を文字化、さらにアテレコすると以下のようになるので、
僕の後に続けて声に出して読んでいただきたい。
Ok! Please repeat after me.

音声『コネコを捕獲しないと大変なことになってしまうタヌ...』
字幕『コネコを捕獲しないと大変なことになってしまうタヌ...』

生き抜くためには仕方のないこと。
切実なのだ。




いつもの様に身内や知人にしかわからない意味不明なネタを
これでもかとばかりに展開する予定でしたが自主規制。
ははっ、自分でも良くわからないデムパな内容に驚愕してます。
困ってしまうタヌ...
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少年画報社 YKコミックス
石黒正数｜それでも町は廻っている 第1〜2巻

通称「それ町」、ここ最近読んだコミックスの中では
イチ押しかもしれないｗ
ジョセフィーヌのネタは、2巻19話をご参照あれ。

2007.08.03には3巻が発売するみたいですよ。